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2019 年度 実施状況報告書

膵癌間質の多様性制御に基づく新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K17429
研究機関名古屋大学

研究代表者

水谷 泰之  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50831393)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード膵癌 / 癌関連線維芽細胞 / Meflin / 間質 / stromal roadblock
研究実績の概要

膵癌は消化管癌の中で最も予後が悪い。膵癌の予後不良の原因として抗癌剤抵抗性が挙げられる。膵癌の最大の特徴は間質が腫瘍の9割を占めることであり、豊富な間質が原因で抗癌剤の浸透が阻害されドラッグデリバリーに障害が起きる。この現象はstromal roadblockと呼ばれており、それが主な原因で膵癌において細胞傷害性抗癌剤、分子標的薬、免疫チェックポイント阻害薬を含む全ての抗癌剤の効果が低い。ゆえに膵癌における抗癌剤治療の最大のボトルネックはstromal roadblockであるが、これを克服する治療法はいまだ開発されていない。間質の主要な構成要素は癌関連線維芽細胞(Cancer-associated fibroblasts :CAF)であり、近年はCAFに介入する試みが多くなされている。この研究の目的は抑制性CAFのマーカーであるMeflinを介して間質の形質転化できるかどうか、さらにはシーズを探索することである。
【明らかとなったこと】
CAFは癌促進性および抑制性の2種類に分けられる。
昨年本予算を使用して、研究代表者の所属するグループが世界で初めて癌抑制性CAFを同定し、特異的なマーカー及び機能分子としてMeflinを報告した。LentivirusにMeflinをコードさせ、間質の豊富な癌において同virusを使用して促進性から抑制性CAFに形質変換させうること、ビタミンDがMeflinを介してCAFを促進性から抑制性に変換させることを見いだした。次に、同グループはリガンドライブラリーを用いてMeflinの発現が増強される薬剤を探索したところ、ビタミンDよりMeflinの発現を誘導する物質として分子Xに着目した。また同グループは分子Xが抗がん剤のエンハンサーとして働くことを見出した。
この発見は間質を標的とする治療法の開発につながるものと確信している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定していた実験はほぼ終了しているため。

今後の研究の推進方策

今後は同定した物質を用いた医師主導治験を予定している。

次年度使用額が生じた理由

次年度も薬剤スクリーニングに使用するため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Meflin-Positive Cancer-Associated Fibroblasts Inhibit Pancreatic Carcinogenesis2019

    • 著者名/発表者名
      Mizutani Yasuyuki et al
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 79 ページ: 5367~5381

    • DOI

      10.1158/0008-5472.CAN-19-0454

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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