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2020 年度 実施状況報告書

膵癌間質の多様性制御に基づく新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K17429
研究機関名古屋大学

研究代表者

水谷 泰之  名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50831393)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード膵癌 / 癌関連線維芽細胞 / Meflin / 間質 / stromal roadblock
研究実績の概要

項目1,Meflinを膵癌間質特異的に強制発現させることにより間質のリプログラムが起き、仮説通り抗癌剤の治療効果が増強されうるかどうかをマウスモデルで確かめる。
I.Lentivirusやadenovirus等を使用し癌間質特異的にMeflinを高発現させる系を樹立する。II.KPCマウスから樹立したオルガノイドをセルライン化して皮下移植モデルを作成する。III.このモデルを使用してI.で樹立した方法によりMeflinを強制発現させ抗癌剤抵抗性が消失するかどうかを調べる。IV.さらにKPCマウスでも同様の結果が得られることを調べる。
項目2,MeflinをマーカーにしてCAFをリプログラムできる既存の薬剤を網羅的に探索することで、既存の薬剤を膵癌間質に応用する実臨床に応用できる可能性を探る。
I.Meflinをマーカーにして網羅的にCAFをリプログラムできる薬剤をスクリーニングする。II.その薬剤が実際にKPCマウスを使用しvivoの膵癌間質でMeflinを過剰発現させうるかどうかを調べる。
既に報告したとおり、項目1は既に達成済みである。項目2についてここで説明する。化合物ライブラリースクリーニングによって、血液系疾患に対して使用されているレチノイドの一種が、がん関連線維芽細胞のレチノイド受容体に作用することで、がん関連線維芽細胞の形質を、がん促進性からがん抑制性に転換することを見出した。また、促進性と抑制性の比率を変化させることで従来の化学療法への感受性を有意に上昇させることを確認した。また、AM80投与によって誘導される間質の変化は、GEM/nab-PTXのドラッグデリバリーと抗腫瘍効果の増強を伴うという結論を得た。ヒトの膵がんに極めて近い病態を示す膵がん自然発症モデルマウス(KPCモデル; 膵管上皮特異的なPdx-1プロモーター下にK-Rasとp53の変異を誘導するマウス)を用いた検証でも、レチノイドの一種とゲムシタビンの併用は有意な抗腫瘍効果を示し、ヒトへの外挿を担保する結果であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本研究費により、上記のレチノイドの一種をヒトに応用できるかにつき、PMDAとのレギュラトリーサイエンス戦略相談(対面助言)を終えた。

今後の研究の推進方策

ヒトへの投与を見据えて、治験を開始可能な体制を築いていく。

次年度使用額が生じた理由

感染症の流行による研究の制約のため、次年度に研究計画がずれこんだため。

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公開日: 2021-12-27  

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