研究課題/領域番号 |
19K17439
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
大須賀 崇裕 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40619714)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | HIF-1α / 胃癌 |
研究実績の概要 |
HIF-1α~ANKRD37~REL経路の胃癌における役割の解明のための研究を下記のごとく行ってきた。 (1)低酸素環境の再現:酸素濃度計にて計測し、低酸素環境下で培養できる実験の準備が完了した。 (2)HIF-1α~ANKRD37~REL経路の胃癌発癌、進行における役割の解明:胃がん細胞株を培養し、正常酸素, 低酸素条件のHIF-1α, ANKRD37, RELの発現をウエスタンブロット法 (WB) で評価した。 (3)各阻害薬を利用した低酸素条件での腫瘍増殖の比較を行なった。 (4)「喫煙者の胃がんでHIF-1αの発現が亢進している。」という仮説を検討するため、患者組織の免疫染色での検討を行った。各患者の背景を検討し、喫煙の有無がHIF-1αの差異に繋がっているかについて統計学的な検討も交えながら行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
低酸素環境で培養された細胞のHIF-1αの発現を捉えるためのウエスタンブロットの条件設定に時間を要した。 免疫染色のための適切な抗体選択に時間を要した。 また、新型コロナウイルスの影響もあり、組織の収集に遅れを生じている。
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今後の研究の推進方策 |
HIF-1α~ANKRD37~REL経路の胃癌における役割の解明のためにin vitro, in vivoでの検討を継続する。 in vitroでは、低酸素が細胞増殖に与える影響について検討し、適切な条件で、経路の中での阻害剤を添加した培養で細胞増殖にどのような影響があるのか、その場合、どのような変化が細胞に生じているのかについて検討を行う。 この経路を阻害することが胃癌の低酸素での増殖に影響を与えるのかについて、より詳細に検討する方針である。 また、患者検体を用いた検討については、すでに院内の倫理委員会の承認を得ており、適切な抗体を用いて染色を行い評価を進めている。多変量解析を用いるなど統計学的にさらに検討を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
低酸素環境で培養された細胞のHIF-1αの発現を捉えるためのウエスタンブロットの条件設定、免疫染色のための適切な抗体選択に時間を要した。また、新型コロナウイルスの影響もあり、組織の収集に遅れを生じている。以上より研究が遅延し、次年度使用額が生じた。 次年度使用額の使用計画については、これまでの研究成果を基盤として、収集した組織に免疫染色での検討を行っていく、また、in vitroの実験においてもHIF-1α~ANKRD37~REL経路のinhibitorを用いた検討を中心に研究計画書に沿ってさらに進めていくために使用する方針である。
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