NUDT15遺伝子変異を有する炎症性腸疾患患者において免疫調節薬(IM)による重篤な白血球減少が起こる機序解明を目的とした。IM使用患者のリンパ球DNAにはIMの代謝産物であるdeoxy-thioguanosine (dTG)が取り込まれるが、NUDT15 R139C変異により末梢血単核球DNAへdTGの取り込みが促進していた。また単核球DNA中のdTG濃度と末梢血リンパ球数の間に負の相関があり、IM未使用患者由来の末梢血CD4+T細胞と、IMの誘導体である6-thioguanineの共培養により、NUDT15遺伝子変異を有する患者でリンパ球のアポトーシスが促進されることが明らかとなった。
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