機能性ディスペプシア(FD)患者において特徴的である早期胃排出能と十二指腸粘膜内炎症細胞浸潤、GLP-1産生細胞の発現量との比較検討を試みた。現時点、有意な関係性は検出できていないが、FD患者の十二指腸検体を集約する過程で、膵酵素異常を有するFD患者における不安状態と外分泌膵機能不全の関連性を明らかにすることができ、新規の酸分泌抑制薬であるvonoprazanを用いて治療前後での十二指腸粘膜内の活性化した好酸球を比較検討することができた。FDにおいて十二指腸における炎症細胞や消化管ホルモンの動向を研究することで、病態の解明につながることが一層強く期待できた。更なる検討が必要と思われる。
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