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2019 年度 実施状況報告書

非古典的NfKB経路を介した胆管癌進展のメカニズムの解明と胆管癌治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K17459
研究機関大阪大学

研究代表者

塩出 悠登  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10838840)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード肝内胆管癌
研究実績の概要

肝内胆管癌は原発性肝癌のうち、肝細胞癌の次に多い疾患であり、予後不良な疾患として知られているいるが、その発生のメカニズムは明らかにはなっていない。申請者の共同研究者が以前、トランスポゾン挿入変異スクリーニング法 によって、胆管癌のドライバー遺伝子として、新たに遺伝子Xを同定した。そこで、胆管癌発症における遺伝子Xの役割を明らかにするために、ノックアウトマウスを用いた研究を行うことにした。本年度は、X遺伝子が欠損した状態において、胆管癌発症のメカニズムと胆管癌の起源細胞について、in vitro・in vivo実験及びヒト検体を用いた検証によって明らかにすることを目的として研究を行った。具体的には、遺伝子Xが胆管癌の増殖・進展に与える影響を、癌細胞株を用いて明らかにするため、胆管癌細胞株を用い、siRNA法を用いて遺伝子Xをノックダウンしたときの細胞増殖能をWST assayで検討した。また、遺伝子Xが胆管癌のシグナルに与える影響を、癌細胞株を用いて明らかにするため、胆管癌細胞株を用い、siRNA法を用いて遺伝子Xをノックダウンしたときの各マーカーを検討した。さらに肝癌細胞株を用い、siRNA法を用いて遺伝子Xをノックダウンしたときに胆管増殖に関わるシグナルの変化を検討するした。また、胆管癌の起源細胞を臓器特異的なCreマウスを用いて明らかにするために、Alb-CreやAlb-CreERT2、K19-CreERT2を用い、遺伝子Xを肝細胞、または胆管細胞でノックアウトすることによりその表現型を検討した。また、胆管癌の起源細胞について、肝オルガノイドを用いて明らかにするため、ノックアウトマウスから肝オルガノイドを作成すること、また肝オルガノイドに遺伝子操作を加えることによって、肝前駆細胞と胆管癌発症の関係性を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の予定していた項目を概ね実施することができ、良好な結果を得られた。以下にその項目を列挙する。①遺伝子Xが胆管癌の増殖・進展に与える影響を、癌細胞株を用いて明らかにするため、胆管癌細胞株HuCCT1を用い、siRNA法を用いて遺伝子Xをノックダウンしたときの細胞増殖能をWST assayで検討する。②遺伝子Xが胆管癌のシグナルに与える影響を、癌細胞株を用いて明らかにする
ため、胆管癌細胞株HuCCT1を用い、siRNA法を用いて遺伝子Xをノックダウンしたときの細胞周期/細胞増殖マーカーを検討する。また、肝癌細胞株Huh7を用い、siRNA法を用いて遺伝子Xをノックダウンしたときに胆管増殖に関わるシグナルの変化を検討する。③胆管癌の起源細胞を臓器特異的なCreマウスを用いて明らかにするため、Alb-Creを用いた遺伝子ノックアウトでみられた胆管癌が、どの細胞から由来しているのかをより詳しく検討するため、肝細胞特異的な遺伝子ノックアウトを行う方法として、Alb-CreERを用いて検討を行う。K19-CreERを用い、胆管細胞特異的な遺伝子ノックアウトを行い、その表現系を解析する。④胆管癌の起源細胞について、肝オルガノイドを用いて明らかにするため、ノックアウトマウスから肝オルガノイドを作成すること、また肝オルガノイドに遺伝子操作を加えることによって、肝前駆細胞と胆管癌発症の関係性を検討する。

今後の研究の推進方策

今年度の研究の結果を踏まえ、今後は以下のような研究を行う予定である。①Cre(-)のマウスに対し、AAVベクターやHTVi法を用いて肝細胞特異的な遺伝子ノックアウトを行い、その表現系を検討する。②ノックアウトマウスから作成した肝オルガノイドを免疫不全マウスの肝臓に移植することにより、長期飼育で発癌が見られるかを検討する。③遺伝子Xが胆管細胞に与える影響を、マウス肝臓から胆管細胞を分離することで明らかにするため、Alb-CreERT2マウスが胆管癌を発症する前の段階で肝臓を回収し、胆管細胞を分離してRNA-sequenceを行うことで胆管癌発症に関わるメカニズムを明らかにする。④ヒト胆管癌細胞における遺伝子Xの役割をヒト臨床検体を用いて明らかにするため、胆管癌の患者検体(パラフィンブロック)を用い、癌部でのX蛋白の発現や予後との関係を明らかにする。また、非古典的NF-kB経路の胆管癌治療標的としての可能性を、Xenograftモデルを用いて明らかにするため、胆管癌細胞株HuCCT1を免疫不全マウスに移植し、NF-kB経路に変化を加えたときにXenograftの変化を検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Discovery of novel hepatocyte molecules regulating cholangiocellular carcinoma development2019

    • 著者名/発表者名
      Yuto Shiode
    • 学会等名
      第55回日本肝臓学会総会
  • [学会発表] Cancer gene discovery of cholangiocellular carcinoma using transposon insertional mutagenesis screen in mice2019

    • 著者名/発表者名
      Yuto Shiode
    • 学会等名
      第78回日本癌学会
  • [学会発表] TRANSPOSON MUTAGENESIS SCREEN IN MICE IDENTIFIED Traf3 AS THE NOVEL TUMOR SUPPRESSOR OF CHOLANGIOCELLULAR CARCINOMA2019

    • 著者名/発表者名
      Yuto Shiode
    • 学会等名
      AASLD2019
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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