研究実績の概要 |
2020年度は2019年度に作製したヒト肝内胆管癌株(HuCCT-1, KKU-M213)を用いたxenograft(1.無治療群、2.ARB単剤投与群、3.NOTCH1阻害薬単独投与群、4.ARB+NOTCH1阻害薬併用群)皮下腫瘍の病理学的、分子生物学的検討を行った。In vitroでの結果を反映して、ARB単独群、NOTCH1阻害薬単独群では腫瘍内のKi67陽性の腫瘍細胞の増殖が有意に抑制され、TUNEL陽性のアポトーシス細胞が有意に増加していた。また、両剤併用群では細胞増殖抑制、アポトーシス誘導が各単剤群に比べて顕著であった。興味深いことに、NOTCH1阻害薬単独群においてもYAP活性を反映する下流のCTGF,CYR61, ANKRD1, MFAP5のmRNA発現レベルは低下を認め、NOTCH1-YAPのpathwayの抑制が関与している可能性が考えられた。一方で、ARB単独群におけるNOTCHシグナルの抑制は認められなかった。さらに、ARB単独群、NOTCH1阻害薬単独群、併用群において皮下腫瘍内のCD34陽性血管新生が有意に抑制されていた。
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