研究課題
若手研究
進行肝内胆管癌は予後不良とされ、全身化学療法の効果も限局的である。本研究では肝内胆管癌の病態に関与するHippo/YAPシグナルおよびNOTCHシグナルの制御を介した新たな治療法の開発を目的とした。既報でYAP活性化を抑制することが知られるアンギオテンシンII拮抗剤を選択的NOTCH1阻害薬に併用することで、細胞の増殖抑制、アポトーシス誘導、血管新生抑制などの機序を介して効率的にヒト肝内胆管癌の発育を抑制することを明らかとした。
慢性肝疾患
切除不能な肝内胆管癌に対して国内外で標準治療としてゲムシタビン(GEM)+シスプラチン(CDDP)療法が位置付けられているが、しかし生存期間、奏効率ともに十分な治療効果は得られていない。そのため、肝内胆管癌に対して新たな抗癌治療戦略を考えることは急務である。本研究においてYAPおよびNOTCHの制御が肝内胆管癌の発育を効率的に抑えることを明らかにしたことで、今後の肝内胆管癌治療における新たなオプションとして臨床への応用を見据えた展開が期待できると思われる。