潰瘍性大腸炎は再燃寛解を繰り返す慢性腸炎である。妊娠中や産後に再燃・増悪しやすいことが知られる。患者には出産を控えた女性が多く含まれ産後増悪の対策は喫緊の課題である。本研究では産後大腸粘膜の特徴を明らかにして、サイトメガロウィルスの再活性化が大腸粘膜に与える影響を明らかにすることを目的とした。一連の結果から、産後増悪の一因としてオキシトシンによるTJP1、OCLN発現低下を介した粘膜透過性亢進が関与する可能性が示唆された。産後増悪にはオキシトシン以外の多因子の影響があると考えられるが、今回の検討ではCMV感染の産後増悪への関与は限定的で、産後増悪の要因解明にはさらなる検討が必要と考えられた。
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