2019年5月から2020年3月の間に30症例から膵癌腫瘍検体を収集した。腫瘍内細菌の由来を検討するため、超音波内視鏡下針生検(EUS-FNA)検体採取時に、胃粘膜・十二指腸粘膜も同時に収集し、合計90検体が収集された。 検体解析成功率は、膵癌EUS-FNA:80%、胃粘膜:100%、十二指腸粘膜:97%であった。 膵癌FNA検体におけるα多様性は胃・十二指腸粘膜よりも低く、β多様性は膵癌FNA検体と十二指腸粘膜では組成が異なることが示された。これらの結果からそれぞれの採取部位における細菌叢の分布は異なることが示された。また、膵内の原発巣部位や制酸剤の使用による多様性の偏りは認めなかった。
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