非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍におけるmiRNA/mRNA網羅的遺伝子発現解析を行った。オントロジー解析では、腫瘍特異的に発現しているmiR-135bの標的遺伝子の発現が低下しており、更にAPC遺伝子及びWnt pathwayとの関連が示された。腫瘍切除検体を用いた免疫染色ではmiR-135の発現上昇とβ-cateninの異常蓄積を認めた。更に腫瘍ではAPC遺伝子変異は殆ど認めなかった。実験的にmiR-135bが発現誘導によりAPCタンパク翻訳を阻害が示されたことから、非乳頭部十二指腸上皮性腫瘍においてはmiR-135bがWnt経路を亢進させ腫瘍促進を引き起こしている可能性が示唆された。
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