本研究は、これまで原因不明とされたきた潰瘍性大腸炎の病態解明にせまる発見である。 この発見によって、これまで非特異的な項目から形成される既存の診断基準に対して、疾患特異的な診断マーカーになり得る。特にこれまでの診断項目の中には、患者に身体的および精神的負担を伴う下部内視鏡検査が含まれていた。抗インテグリンαVβ6抗体が診断基準に組み込まれれば、下部内視鏡検査を用いずとも診断できる可能性がある。また炎症性腸疾患の非専門医でも簡便かつ特異的に診断ができる可能性があり汎用性が期待できる。 さらに疾患の病勢とも相関しており、治療効果の判定にも有用な疾患活動性マーカーでもある。
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