研究課題/領域番号 |
19K17496
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田中 正剛 九州大学, 大学病院, 助教 (20837265)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 非アルコール性脂肪肝炎 / NASH / zonation / 網羅的遺伝子発現解析 / RNA-seq / レーザーマイクロダイセクション / IL-17 / 類洞内皮細胞 |
研究成果の概要 |
NASHマウスモデルの未固定肝臓切片からレーザーマイクロダイセクションにより門脈域、門脈域近傍、中間領域、中心静脈近傍に分けてサンプリングし、抽出した微量RNAからRNA-seqを行う実験系を確立した。また、NASHに特異的なdifferentially-expressed genes (DEGs) を959個同定し、階層的クラスタリングにより10個のクラスターに分け、NASH群の中心静脈近傍でのみ発現が変化するクラスターを同定した。また、エンリッチメント解析により、内皮細胞の遺伝子発現キャラクターが強いクラスターにおいてIL-17シグナル経路に変化を認めることが明らかとなった。
|
自由記述の分野 |
肝臓病学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、生活習慣の欧米化により非アルコール性脂肪肝炎 (non-alcoholic steatohepatitis; NASH) 患者が増加傾向にあり、本邦においては全人口の約3%に上ると考えられている。NASHは肝硬変、肝細胞癌へと進行性の経過を辿り、5年生存率は約70%と不良であることが知られているが、その発症機序はまだ十分には解明されておらず、有効性の証明された薬物治療も存在しない。肝臓の微小領域に着目した本研究により、新たな治療標的候補が同定することができた。本研究成果はNASHの発症機序解明に寄与し、NASHの治療薬開発に結び付く可能性があるものであり、社会的にも意義があると考える。
|