研究課題/領域番号 |
19K17499
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
冬木 晶子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (10737331)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 慢性偽性腸閉塞症 / シネMRI / カラーマップMRI |
研究実績の概要 |
慢性偽性腸閉塞症(CIPO)は小腸蠕動障害を主病態とする重篤な難治性希少疾患であり、疾患認知度が低く、不適切な診断や治療を長年余儀なくされている症例が多い。我々は腸管蠕動を動画で評価可能なシネMRIによる診断法を確立した。これは画期的なモダリティであるが、①解析に時間を要する②解析者が選定した腸管の解析に限定される③解析部位の選定に解析者によるバイアスが生じる、といった問題点も存在している。これらの問題点を解決し、従来のシネMRIよりも「詳細」かつ「客観的」に「色の違い」として一枚の画像で蠕動の強弱を判別できる画像を本研究では目標とする。 今年度は厚生労働省の診断基準でCIPOと診断された症例のうち、当院でシネMRIを施行し、現在もフォローアップ中の3例を対象に試作ソフトによりカラーマップ画像を作成し、定量的評価が可能かどうかを検証した。本プログラムを用いて、シネMRIで得られたDICOM画像から関心領域(ROI)を抽出、腸管長軸にそった中心線を設定、その後、中心線に直行する短軸を無数に自動設定し、それぞれの短軸の収縮率を計算した。収縮率の大小により短軸線を色分けしてカラーマップ画像を作成した。3症例とも良好なカラーマップ表示が得られ、若干の誤差が見られたが今回の評価では、カラーマップMRIはシネMRIと遜色ない定量的評価が可能であった。有効な設定条件が選択されていると考えられる。収縮周期の評価が行えておらず、今後の課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シネMRIで得られたDICOM画像から関心領域(ROI)を抽出、腸管長軸にそった中心線を設定、その後、中心線に直行する短軸を無数に自動設定し、それぞれの短軸の収縮率を計算した。収縮率の大小により短軸線を色分けしてカラーマップ画像を作成する手法が有効であることが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
症例数を増やしてカラーマップ作成を行う。 試作ソフトの改良を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
試作ソフト改良のための費用を次年度とするため
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