研究実績の概要 |
COVID-19の影響で研究期間を1年間延長し、2021年度の研究を実施した。2021年度は開発した病変検出支援AIを使用した臨床研究を実施した。試験デザインは単施設前向き研究で、本ソフトウェア使用により腫瘍検出率が有意に向上するかどうかを検証するものである。ソフトウェア使用群と不使用群の割り付けは傾向スコアマッチングで行った。総計1836名が解析対象となり、主要価項目である腺腫検出率(ADR)はソフトウェア使用群で有意に高く約7%の向上を認めた。 この結果から本ソフトウェアを使用することにより将来的な大腸癌のり患リスクを低減できることが示唆された。一方で、ソフトウェア検出により上乗せ効果のあった病変は5mm以下の微小な良性腫瘍であり、より長期的なアウトカムを設定した大規模なstudyが必要と考えられた。また当初目的であった、陥凹型癌の発見については成功事例をcase reportとして報告した(Kudo S, Misawa M, et al. Endoscopy 2021)。
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