我々は、新たに確立したマウス心臓リンパ管切除モデルにおいて、慢性的な心臓リンパ管の機能低下が形態変化に続いて心機能に与える影響を検討した。 野生型マウスにおける心臓リンパ管切除は、炎症細胞の蓄積、線維性変化、心肥大を誘発し拡張心機能障害が認められた。さらに、高脂肪食負荷はこれらの反応を悪化させた。一方、治療的リンパ管新生は、リンパ管機能不全後の炎症反応、線維蓄積、心肥大を改善し、結果として拡張機能不全の保護効果をもたらした。 本研究において今回得られたデータは、心臓リンパ管が、生理的および病的な環境において、心臓のホメオスターシスと心機能の維持に重要な役割を担っていることを示唆するものである。
|