体外から心室筋への中等量の炭素線や陽子線の粒子線照射は電気的障害や組織変化をもたらし、その変化は照射後3カ月の時点で明らかであり6カ月後まで維持されていた。今回の研究では照射範囲を大きくしたことにより心嚢水、照射部の皮膚変化や放射線肺炎などの周辺臓器への影響も確認することができた。これらの結果から難治性の心室性不整脈を持つ患者において中等量の炭素線、陽子線を心筋に照射する事により、その不整脈基質部位を変性させ、不整脈を減らす事ができる可能性が示唆された。この治療を行う時には、周辺臓器への被曝を避けるために照射範囲を可能な限り最小化する必要がある。
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