ゲノム修復タンパクXRCC3の遺伝子多型では、ednoreduplicationという現象によりDNA複製時に細胞分裂が起こらず倍数性が増加(多倍体化)することが知られている。この現象が心肥大の発症・進展に関与するかを検討した。血液透析患者を対象とした遺伝子多型解析においてXRCC3T241Mは心肥大発症のリスク因子であることが明らかとなった。また培養細胞にXRCC3T241Mを導入すると、細胞の多倍体化、DNA損傷の蓄積および細胞老化が増加した。以上の結果からXRCC3遺伝子多型は細胞の多倍体化、ゲノムの不安定化、細胞老化を誘導し心肥大に関与することが示唆された。
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