心血管や脳虚血疾患の基盤病態である動脈硬化症の発症進展に関して、従来の『血管内膜の障害』に加え、『血管外膜の栄養微小血管(vasa vasorum,VV)の形成異常』がプラーク増悪や不安定化に関連することが推測されている。 これは臨床的な状況知見から推測されてきたものであるが、両者の因果関係を明確に示すエビデンスは少なく、結果として、その先にある「血管外膜部を標的とする動脈硬化治療の開発」に至っていない。 Ninj1を介した血管外膜の微小血管VVの成熟化が、プラーク形成や不安定化に関与することを証明することにより、Ninj1を治療、検査のターゲットとした新たな治療戦略につながる可能性がある。
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