研究課題/領域番号 |
19K17565
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丸橋 達也 広島大学, 病院(医), 助教 (10727069)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 血管内皮機能 / 時計遺伝子 |
研究実績の概要 |
抑制的時計遺伝子differentiated embryo chondrocyte 1 (Dec1)は、liver kinase B1 (LKB1) のリン酸化を抑制することでadenosine monophosphate-activated protein kinase (AMPK) のリン酸化を抑制することが示唆されている。本研究では、血管内細胞にて、DEC1発現が、LKB1/AMPKを介して、内皮型一酸化窒素合成酵素 (eNOS: endothelial nitric oxide synthase) のリン酸化および、血管内皮機能に及ぼす影響について検討を行っている。 6週齢の野生型マウスとDEC1ノックアウトマウスから血管内皮細胞の単離・培養を行い、①大気下野生型マウス内皮細胞、②低酸素下野生型マウス内皮細胞、③大気下DEC1ノックアウトマウス内皮細胞、④低酸素下DEC1ノックアウトマウス内皮細胞において、LKB1、AMPK、eNOSそれぞれのリン酸化/発現について比較検討を行った。②低酸素下野生型マウス内皮細胞にてDEC1の発現が増加することが確認された。また、②低酸素下野生型マウス内皮細胞にてeNOSリン酸化が抑制され、③大気下および④低酸素下DEC1ノックアウトマウス内皮細胞にてeNOSリン酸化が亢進することが確認された。また、②低酸素下野生型マウス内皮細胞にてAMPKリン酸化が抑制され、③大気下および④低酸素下DEC1ノックアウトマウス内皮細胞にてAMPKリン酸化が亢進することが確認された。現在、LKB1リン酸化について確認中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の実験計画にそって進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
8~12週齢のマウス胸部大動脈を単離し、野生型マウスとDEC1ノックアウトマウスそれぞれから大動脈リング(大動脈輪状標本)の作成を行い、大動脈リングのアセチルコリンに対する弛緩反応を観察することで、血管内皮機能を評価する。 また、野生型マウスとDEC1ノックアウトマウス(8週齢、雄、各6匹ずつ)の経時的な血圧をテレメトリー自動血圧測定によって計測を行い、血圧と血圧変動パターンにDEC1がどのように関与しているかを検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
物品費の使用が、予想よりも少なかったため、次年度使用額が生じた。翌年度分と合わせて、物品費として使用する予定である。
|