マウス右心不全モデルを確立し、病態進展におけるPDE1とPDE10の役割を示した。さらに関連する病態であるHFpEFにおいてもPDE1の発現亢進と阻害による病態抑制が証明された。これらの所見は治療法の確立していない右心不全やHFpEFの治療法開発にとって非常に重要な基礎的知見となる。cAMP-PKA, cGMP-PKG経路の活性化の関与は示されたが、当初想定していた小胞体ストレス応答の関与は大きくないことが示唆された。細胞内カルシウム動態に関与する分子の発現変化が認められており、PDE1による細胞内カルシウム制御が主要なメカニズムとして想定された。
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