研究課題
若手研究
血管拡張作用、抗炎症作用のあるEETsという体内で産生される機能性脂質の活性を上げるためにsEH蛋白の機能を抑制するsEHワクチンを開発しました。sEH蛋白はEETsを分解する蛋白です。このワクチンを打つことでマウス、ラット、ハムスターの体内にsEH阻害を担う抗体が産生されることを確認しました。また、このワクチンを投与したラットが心筋梗塞になった場合、ワクチンを投与していないラットと比べて、軽く済むことがわかりました。
循環器内科
血管や心臓にとって保護的に働くEETsの作用を生かし、安価なワクチンで製剤化する試みは世界でも初めてのことです。ラットにおいて、心筋梗塞を軽くできる効果は期待できるものです。しかしながら、現在は動物実験の段階でありますので、今後ヒトに使用できるようになるまでには、ワクチンの配列の問題、アジュバント選択の問題、局所の腫れ、何回投与が必要なのか、などの問題や実際ヒトで効果があるのか確かめることなど乗り越えるべきハードルもあります。