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2019 年度 実施状況報告書

心臓におけるin vivo 四次元代謝イメージング技術の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K17579
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

勝俣 良紀  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (80464832)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードマイクロダイアラシス法 / 四次元代謝イメージング / 同位体元素 / グルタチオン / レドックス
研究実績の概要

心筋障害部位での超急性期の代謝の継時的な変化をとらえるために、マイクロダイアラシス法を用いた技術の開発を開始した。心臓マイクロダイアリシス法は、半透膜の特性を利用して、心筋間質に存在する低分子生体内物質を、中空糸状透析膜を介して灌流液中に分離採取する方法である。左室心筋局所にダイアリシスプロープを植え込んで、インジェクションポンプを用いて灌流し、終端より環流液を回収し、質量分析法で代謝産物を網羅的に解析した。Wistarラットの心筋内に透析膜を中央に配したカテーテルを留置し、150分後に、冠動脈閉塞・再灌流モデルを作製する。手技中にマイクロインジェクションポンプを使用して2μl/minの速度でリンゲル液を還流し、回収した透析液は、10分毎に違うマイクロチューブに集積する。回収した透析液をマイクロチューブ毎に質量分析器にかけ、冠動脈閉塞前、閉塞中、閉塞後での各種代謝物質量を測定する。10分毎に違うマイクロチューブに集積することで、局所の心筋代謝の変化を連続的に評価することが可能となる。また、マイクロ波を用いた心臓組織の処理技術と同位体元素を用いた定量的代謝フラックスイメージング(代謝の空間的把握)技術を組み合わせ、in vivo 四次元代謝イメージングを行った。
虚血時および再還流時に、多くの代謝産物がダイナミックに変化していることが可視化できた。得られた結果を用いて、Volcano plotなどの統計分析を行い、細胞外のグルタチオン関連物質(GSH、GSSG等)の有意な変動が明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画に記載した通り、in vivo 四次元代謝イメージング技術の開発は順調に達成できた。

今後の研究の推進方策

グルタチオンの細胞内外の輸送に関しては、その機序、意義、制御に関しては十分に解明されていない。心筋細胞の虚血再灌流時のグルタチオン関連物質の輸送およびその生理学的意義、また治療応用に関して、ラットの初代心筋培養によるin vitro研究及びin vivo 四次元代謝イメージングを用いて検証する。MitoB/Pを用いたミトコンドリア由来の活性酸素の定量(Helena M. Cocheme, Cell Metab 2011)および同位体元素を用いたフラックス解析、メタボローム解析を行い、レドックス状態の時空間的解析を試みて、代謝産物の変動とリンクさせることで、虚血再灌流障害による生体組織の適応機構を検証し、新たな薬剤の開発を進める。

次年度使用額が生じた理由

研究は着実に進んでいる。今後、メタボローム解析を頻回に行うため、その消耗品購入などに多くの費用が生じることが予想される為。

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公開日: 2021-01-27  

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