研究課題/領域番号 |
19K17581
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
園田 桂子 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 研究員(任期付) (90824417)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | トランスクリプトーム解析 / RNAシークエンス / 遺伝性不整脈 / リード抜去 / FFPE検体 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、抜去リード付着心筋やホルマリン固定パラフィン包埋検体 (FFPE検体) など、今まで解析されなかった心筋検体のトランスクリプトーム解析を行うことにより、遺伝性不整脈疾患の解明されていない原因を明らかにすることである。 R1年度は研究開始年度であったため、検体の集積を中心に研究を行った。抜去リードに付着した心筋は、QT延長症候群1例、洞不全症候群1例、ブルガダ症候群3例、特発性心室細動1例で得られた。FFPE検体は心室細動から1例得られた。リード付着組織から抽出したRNAの濃度を吸光度測定で評価したころ、10-70ng/ulであった。これは手術や心筋生検で採取される心筋から抽出される一般的なRNA濃度と比較すると低い。この理由としては、リード抜去から組織回収まで時間を要することが最大の原因と考えられる。当施設の医療部門システムの問題で、研究者側からの変更依頼は許可されなかったため、今後もこの問題は解決できないが、RNA-Seqの施行に必要な量は取得できた。RNAの純度と分解度は、RNA-Seqの施行に際して許容できる範囲であった。 心筋組織のDNAについては、リード付着心筋・FFPEともに十分量を採取することができなかったため、DNAは末梢血から抽出したものを使用する方針に変更する予定である。 R1年度の研究成果から、抜去リードに付着した組織からRNA採取が可能であることが分かった。次年度は採取した検体を使用し、RNAシークエンスを行う。正常心筋と遺伝性不整脈心筋の遺伝子発現の違いやアイソフォームの変化を確認する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
リード抜去心筋検体の収集とRNAの抽出は実施したので、おおむね順調に進展している。FFPE検体数が少ないため、追加収集を行う。また心筋組織からのDNA抽出が出来なかったため、末梢血から抽出したDNAを使用するように計画を変更した。以上の理由からおおむね順調に進行している、と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
R1年度に組織から抽出したRNAを用いて、次世代シークエンサーによるRNAシークエンスを施行する。次世代シークエンス用ライブラリ作成については、市販の試薬キットを購入し、当研究室に現存する機器を用いて実施する。RNAシークエンスは、当施設の供用機器であるNextSeq (Illumina)を使用する。RNAシークエンス結果の解析は、当研究室のWorkStationとオープンソースのソフトウェアを用いて施行する。 心筋検体DNAの次世代シークエンサーによるターゲットシークエンスを当初予定していたが、R1年度の実験結果から十分量のDNAが採取できないことが分かったため、研究計画を変更する。当施設のバイオバンクに保存されている、末梢血から採取されたDNAを用い、MiSeq (Illumina) を使用してターゲットシークエンスを行う。 臨床所見とシークエンス解析結果の関連性について、臨床情報を当施設のバイオバンクを通して収集し、当研究所のパソコンで既にインストールされている有償解析ソフトを用いて統計学的解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
心筋組織からRNA、DNAを抽出する際に使用する市販のキットを購入する予定であったが、当研究室で所持している在庫分を使用することができたため、新たに購入する必要がなくなり、次年度使用額が生じた。次年度分のキットを購入する予算に充てる予定である。
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