研究課題
LDLコレステロールは心血管疾患発症の危険因子として確立しているが、LDLコレステロールに対する薬物治療を行っても心血管疾患発症リスクが残存する。昨年度までの研究で、中性脂肪が血管内皮機能障害の独立した規定因子であること、中性脂肪が150 mg/dLよりも低い106 mg/dL 以上の群で、すでに血管内皮機能が障害されていること、中性脂肪が正常高値 (100-150 mg/dL) の群は中性脂肪100 mg/dL未満の群と比較し複合心血管死(心血管死、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症)が有意に多く認められたこと、年齢等の動脈硬化危険因子で補正を行っても中性脂肪が正常高値の群は複合心血管死の独立した危険因子であることを報告した。日本や外国における脂質異常症ガイドラインは、中性脂肪が150 mg/dL以下を正常と定義している。しかし、より低い中性脂肪の症例では血管内皮機能がどのようになっているのかが不明であった。そこで、FMD検査を行った7047例を中性脂肪の測定値で50 mg/dL未満、50-69 mg/dL、70-89 mg/dL、90-109 mg/dL、110-129 mg/dL、130-149 mg/dL、150-199 mg/dL 200 mg/dL以上に分けて中性脂肪と血管内皮機能との関係を検討した。結果、中性脂肪50 mg/dL未満の群が最も血管内皮機能が良好であった。これらの成果より、中性脂肪はより低い値を目標に治療を行うことで心筋梗塞、脳梗塞などの血管合併症発症の抑制につながることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 20件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
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