日本や外国における脂質異常症ガイドラインは、中性脂肪が150 mg/dL以下を正常と定義している。しかし、適切な中性脂肪治療の目標値について十分な根拠がなく、どこまで介入すればよいのか指針はない。本研究の成果により、中性脂肪が正常高値であるの100-150 mg/dLの群で、既に血管内皮機能が障害され、心血管疾患発症リスクが高いことが示された。さらに血管内皮機能と中性脂肪との関係に関する研究結果から、中性脂肪はより低い値を目標に治療を行うことで心筋梗塞、脳梗塞などの血管合併症発症の抑制につながることが示唆された。
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