癌患者は増加の一途をたどり、癌に合併した循環器疾患の治療の必要性が増大している。特に、癌の進行に伴う心機能障害やカヘキシーは、生命予後やQOLに直結するにもかかわらず、その機序は不明であり有効な治療法が確立されていない。癌は全身慢性炎症の病態として知られる。脳内の免疫細胞であるミクログリアは、全身の炎症により脳内炎症を引き起こし、循環中枢および摂食代謝中枢に影響を与えうる。本研究では、モデル動物を用いて、癌においてミクログリアを介した脳内炎症が循環中枢・摂食代謝中枢に影響し心機能障害やカヘキシーを引き起こすかを明らかにした。
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