肺高血圧症ニース分類中で、第5群:詳細不明な多因子のメカニズムに伴う肺高血圧症として、血液疾患、とくに骨髄増殖性疾患が挙げられており、骨髄増殖性疾患による肺高血圧症のメカニズムはいまだ不明である。JAK2V617Fは、機能獲得型の後天的体細胞変異で、骨髄増殖性疾患の原因遺伝子変異として知られている。JAK2V617F変異を導入したトランスジェニックマウス(JAK2V617Fマウス)においては持続的低酸素負荷2週後、右室圧がWTマウスに比べ有意な上昇を示した。また、低酸素負荷後、JAK2V617Fマウスでは中膜肥厚の程度が有意に増悪し肺動脈リモデリングを示唆していた。
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