最初に肺動脈性肺高血圧症(PAH)の新規治療薬候補Xを効率的に肺動脈平滑筋細胞へ封入するためのナノカプセルを作製した。この薬剤X封入ナノカプセルは薬剤Xを単独で投与する場合と比較して、PAH患者の肺動脈平滑筋細胞の増殖を有意に抑制した。次に、肺動脈性肺高血圧症モデルラットを作製し、薬剤X封入ナノカプセル投与群、コントロールナノカプセル投与群、非投与群の3群で心臓カテーテル検査を行ったところ、薬剤X封入ナノカプセル投与群で有意に右室圧低下およびFulton index改善を認めた。今後は各群の肺病理像を評価し、薬剤X封入ナノカプセルのPAH治療薬としての有効性をさらに検証することとしている。
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