研究課題/領域番号 |
19K17632
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 勇三 浜松医科大学, 医学部, 助教 (00758435)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 肥満喘息 / オートファジー / TSLP / IL-33 |
研究実績の概要 |
肥満は喘息患者に高頻度に見られ,肥満喘息は重症喘息の中で最も難治な一群である.肥満喘息は非肥満喘息と同様に均一な病態でなく,Th2-lowやTh2-highなど種々に分類されるとされているが,その病態は十分に解明されていない. そこで,本研究では肥満喘息におけるオートファジーの意義を明らかにすることを目的とした.全身性および気道上皮特異的Atg5-/-マウスを用いた.肥満喘息モデルは,高脂肪食を16週間負荷した後にHDM感作を行い作成した.肥満Atg5-/-マウスは肥満野生型マウスと比較して,BAL中の好酸球数の上昇と気道過敏性の亢進が認められ,これらはステロイド抵抗性であった.肥満Atg5-/-マウス肺ではTh2細胞が増加していたが,一方でILC2s数は肥満野生型マウスと同等であった.気道上皮特異的肥満Atg5-/-マウスではBAL中の好酸球上昇が確認された.肥満Atg5-/-マウス気道上皮ではTSLPおよびIL-33発現が亢進し,肥満Atg5-/-マウスの好酸球炎症と気道過敏性はTSLP依存性,IL-33に抑制された.これらの結果から,オートファジー制御はは肥満喘息の新規治療標的となりうると考えられた.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
肥満Atg5-/-マウス気道上皮ではTSLPおよびIL-33発現が亢進し,肥満Atg5-/-マウスの好酸球炎症と気道過敏性はTSLP依存性,IL-33に抑制されることを明らかにした.これらの結果から,本研究はオートファジー制御はは肥満喘息の新規治療標的となりうることを示した.
|
今後の研究の推進方策 |
オートファジー低下によってもたらされる,気道上皮からのTSLPやIL-33の産生亢進のメカニズムを明らかにする.
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度に予定していた遺伝子解析およびELISAによるサイトカイン計測は2022年度に行う予定である。
|