研究課題
本研究の目的は、閉塞性換気障害と動脈硬化の進行に関わるメタボライトを探索し、両者に関与する新規バイオマーカーを探索することである。本研究は、慢性閉塞性肺疾患や心血管疾患の新たな疾患予測マーカーの発見につながる。本研究では、動脈硬化の指標として上腕足首間脈波伝播速度(baPWV)を用いた。これまでに1秒量(FEV1)とbaPWVの経年的変化の間には、年齢、性別、喫煙、血圧といった因子で補正を行っても負の相関関係を持つという結果が得られている。そこで、経年的なFEV1低下とbaPWV上昇を顕著に示す集団であるrapid decliner群とatherosclerosis群において、ターゲット解析の終了している約120種類の代謝物質(メタボライト)の中で共通のメタボライトが存在するかどうかを主成分解析を用いて検討を行った。しかしながら、両群間において共通のメタボライトは認められなかった。原因としては、検討したメタボライトは、アミノ酸や糖質代謝に関与するものが主体であったことが考えられた。過去の報告において、1秒量とbaPWVのそれぞれの変化と脂質との関連性が報告されている。そのため脂質代謝に関与するメタボライトへターゲット解析の対象範囲を拡大する準備に着手している。またガスクロマトグラフ質量分析法を用いて、従来の解析法に加えて、新たに開発された数学的手法を応用した検出法も用いたノンターゲット解析を行う準備も並行して着手しており、閉塞性換気障害と動脈硬化の進行に関わる共通のバイオマーカーの同定を目指す。
3: やや遅れている
アミノ酸や糖質代謝に関与するメタボライトでは、rapid decliner群とatherosclerosis群で共通のメタボライトが認められなかったため、脂質代謝に関与するメタボライトへターゲット解析の対象範囲を拡大し、並行してノンターゲット解析を行っていく方針で研究計画を立て直している。
脂質代謝に関与するメタボライトへターゲット解析の対象範囲を拡大し、並行してノンターゲット解析を行っていく予定である。
メタボライトのターゲット解析およびノンターゲット解析を精力的に推し進めるために使用する予定である。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)
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