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2019 年度 実施状況報告書

EGFR-TKIによる薬剤性肺障害におけるMUC4遺伝子の関与の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17643
研究機関自治医科大学

研究代表者

椎原 淳  自治医科大学, 医学部, 助教 (20737241)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード薬剤性肺障害 / EGFR-TKI / MUC4
研究実績の概要

本研究の目的は、抗癌剤、特に上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKI)を用いた際に日本人に高率に発症する重症の薬剤性間質性肺炎のリスクとなる遺伝因子を同定することである。これまでの研究でEGFR-TKIによる間質性肺炎および特発性肺線維症(IPF)急性増悪を発症した複数の患者において,当初はMUC4遺伝子のexon2に認めた多型(3塩基の挿入)がEGFR-TKIによる薬剤性間質性肺炎の原因遺伝子変異と考えたが、研究を進めるとこの3塩基挿入の変異は疾患関連塩基配列ではない可能性が高くなった。このため疾患群と健常群のMUC4のexon2の全配列を決定する作業を行ってきた。
これまでの研究ではMUC4発現ベクター、細胞株を作成する努力を行ってきた。細胞株作成後はsouthern blottingを行い、VNTRの長さに6パターン存在することを明らかにし、学会報告している。しかし、これも大腸菌の中でVNTR領域の組み換えが起こり、短縮していることが後に分かるなど、MUC4のexon2に含まれるVNTR領域は遺伝子工学的難易度が極めて高く、細胞株の作成にもトライアンドエラーが極めて多く、またその後も通常のフローでは安定したシークエンスを解析することが困難であった。また従来の次世代シークエンサーを用いた解析でも、断片化したDNAをシークエンスしても解析配列間にgapが生じ、リピート配列全体の解析が困難であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

臨床現場の人員が昨年度さらに減少し、臨床業務の負担が極めて大きくなり、実験を行う時間的、体力的余裕がなくなったこと

今後の研究の推進方策

従来の次世代シークエンサーでは断片化したDNA配列をランダムにシークエンスするが、VNTR領域の解析は、このやり方では不確実性が生じ、またリード間にgapが生じるため、全配列を決定しきれないことがあった。このため現在リピート配列のシークエンスを安定して行うことのできるPacBioシークエンスを用いて断片化していないDNA配列を決定し、疾患群と健常群の比較を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

十分な研究時間が確保できず、研究に遅れが生じているため。
次年度は人員が増員されて研究時間がわずか確保できる見込みがあるため、上述した新しいシークエンスの方法を用いて研究を行っていく予定。

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公開日: 2021-01-27  

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