研究実績の概要 |
本研究の概要:特発性肺線維症(IPF)の病態形成において血管網の異常が病態形成を担っていると考えられ、それを阻害することが新規治療法のターゲットとなり得る。プラズマローゲンはその候補薬になる可能性があり、共培養モデルにおけるプラズマローゲン投与の影響を評価し、新規治療薬としての可能性を検討することが本研究の目的である。 2022年度実績概要:前年度までは炎症生サイトカインによって、血管網形成は濃度依存的に変化することを明らかにできており、その変化の推定されるメカニズムを明らかにでき、特定の阻害薬や既存の治療薬であるピルフェニドンにて減弱することを明らかにした。今年度も前年度に引き続き プラズマローゲンの投与における変化を評価するための条件検討を実施したが、共培養モデルでは現時点で明らかな有益性が見出されなかった。動物レベルでも 検討したが、プラズマローゲン投与に伴い線維化の改善は認められなかった。今後の予定としては、これまで得られた科学的知見を論文化する。今年度は間質性肺炎と脂質代謝に対しての論文を一報作成した。本報告では脂質代謝における特発性肺線維症における最新の報告をまとめた総説である。現在、本助成金にかかわる文献をもう1報作成中であり最終年度としてのまとめを行う。 Yusuke Nakamura and Yasuo Shimizu, Cellular and Molecular Control of Lipid Metabolism in Idiopathic Pulmonary Fibrosis: Clinical Application of the Lysophosphatidic Acid Pathway, Cells 2023, 12(4), 548
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