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2019 年度 実施状況報告書

老化細胞由来エクソソームによる肺がん微小環境制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K17649
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

藤田 雄  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (10737133)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワードエクソソーム / microRNA / 老化 / 特発性肺線維症
研究実績の概要

2019年度は、老化細胞由来エクソソームの肺癌への影響を検討するために、臨床サンプルの解析と細胞株を用いたin vitroの解析を行った。エクソソームの共通マーカーをIPF患者の肺組織および正常組織との発現評価を行った。その結果、エクソソームマーカーは正常気道上皮において高発現しており、さらにIPFのfibrotic fociにおいても高発現していることが分かった。これらIPFの線維病変からエクソソームが多く分泌されている可能性を示唆していた。次に、IPF由来の線維芽細胞に着目した。IPF由来線維芽細胞はその機能評価にて正常の線維芽細胞と比較して老化が誘導されていた。この老化した線維芽細胞分泌エクソソームの機能評価を行った。肺癌細胞株にこれらのエクソソームを添加してみたところ、肺癌細胞株の細胞増殖を亢進することが分かった。正常の線維芽細胞由来エクソソームと線維芽細胞分泌エクソソームの機能の相違を検討するために、これらのエクソソームのmicroRNAアレイおよびLC-MS/MSによる網羅的解析を行った。それらの結果から、明らかなエクソソームタンパク質は同定されなかったが、miR-AとmiR-Bがこの現象に関与していることが判明した。これらのmicroRNAは、GSEにおけるIPF合併肺癌において、その組織において高発現してることも確認できた。
このようにIPFにおける線維芽細胞分泌エクソソームはmicroRNAの移送を介して合併する肺癌の病勢悪化に関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までに仮説におけるエクソソームの機能が判明し、そのメカニズムを解析している。当初の目的は達成できており、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2020年は同定したmicroRNAおよびその標的遺伝子に関するin vitroおよびマウス実験を行、IPFに合併する肺癌の悪性化に関する老化細胞由来エクソソームの関与を明らかにする。

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公開日: 2021-01-27  

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