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2019 年度 実施状況報告書

混合型小細胞肺癌の腫瘍進展機構の解明と新たな治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K17651
研究機関日本大学

研究代表者

飯田 由子  日本大学, 医学部, 専修医 (60835221)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード混合型小細胞肺癌 / ASCL1 / RB1
研究実績の概要

ヘマトキシリン・エオジン染色された病理標本を評価し,単一の組織型よりなるpure SCLCとNSCLCが混在するcombined cSCLC (cSCLC)について適切な対象症例を選定した.
次に,cSCLCのFFPE組織を薄切し,神経内分泌に関わるSCLCマーカー (CD56, synaptophysin, chromogranin A) ,NSCLCの各マーカー (NapsinA, p40, p63),さらにpure SCLCにおいて不活性化が重要であると言われているRB1などの免疫組織化学検査を行い,各タンパク発現の有無や強度,細胞内局在について評価した.その結果,cSCLCにおいて,SCLC成分でSCLCマーカーが陽性であり,NSCLC成分でNSCLCマーカーが陽性であったが,両方の成分においてRB1がいずれも陰性であり,cSCLCの進展においてRB1陰性であることが重要である可能性が考えられた.さらに,cSCLCにおける腫瘍進展の機序を検討するため,cSCLCのFFPE組織より各組織型成分毎にDNA,RNAを抽出した.まず,pure SCLCとの関与が知られているASCL1,BRN2,NF1Bについて,cSCLCの各組織型成分ごとにRNAよりRT-PCRを行いmRNA発現解析行った.その結果,ASCL1の発現がSCLC成分においてNSCLC成分に比べ高値であった.以上より,cSCLCにおける混在する組織型の差異にASCL1の発現が関わっていることが示唆された.
また,抽出したDNAから,組織型成分ごとにターゲットパネルを用いた次世代シーケンサーによる肺癌関連特異的遺伝子変異解析を行った.cSCLCの腫瘍進展機序について関わる遺伝子変異について,現在結果をまとめている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2019年度は,2019年度の研究計画(対象症例の選定,SCLCの中でpure SCLCとcSCLCの評価,免疫組織学的検討)について概ね遂行できたと考える.また,2020年度の研究計画;cSCLCのFFPE各組織型成分における腫瘍進展に関する検討(核酸抽出,mRNA発現解析,次世代シークエンサーによる癌特異的遺伝子変異解析の一部)についても,概ね遂行することが出来た.次世代シークエンスで認められた遺伝子変異箇所について,今後サンガーシークエンスでも確認する予定である.

今後の研究の推進方策

まず次世代シークエンスで認められたcSCLCにおける遺伝子変異箇所についてサンガーシークエンスで確認する予定である.またcSCLCの各組織型成分ごとに認められた特徴的な遺伝子発現や遺伝子変異所見について,pure SCLC症例についても検討し,pure SCLCと比較してcSCLCに特異的な腫瘍進展機構を解明していくことを予定している.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 混合型小細胞肺癌における組織学的多様性に関する臨床病理学的検討2019

    • 著者名/発表者名
      飯田 由子・高橋 典明・中西 陽子・清水 哲男・増田 しのぶ・権 寧博
    • 学会等名
      第60回日本肺癌学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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