研究課題/領域番号 |
19K17658
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研究機関 | 就実大学 |
研究代表者 |
出石 恭久 就実大学, 薬学部, 助教 (80791847)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 肺動脈性肺高血圧症 / 生体内因子 / スクリーニング / 交絡因子 |
研究実績の概要 |
本研究は、肺高血圧症患者由来の血液サンプルと肺血管構成細胞を用いて、平均肺動脈圧を指標とする肺高血圧症の新規バイオマーカー、及び新規治療標的因子の開発を目的としている. これまでの研究では、重症度の高い慢性血栓塞栓性肺高血圧症例で、治療介入後に平均肺動脈圧が著明な改善を示した場合も、本研究の候補因子の一つである生体内因子の血中濃度が顕著に低く、平均肺動脈圧による重症度の変化と相関性が認められなかった事から、対象症例の併存疾患の調査から行った.当該年度は、特定の併存疾患を除外した対象者について、平均肺動脈圧による重症度及び治療介入後の改善度、並びに検体回収時期の合併症等について新たに調査し、検討する候補サンプルの選定を行った.更に、申請者の新しい所属機関でも研究の一部が実施出来るように体制を整えると同時に、本研究に必要な肺高血圧症例の肺血管構成細胞の初代培養、及び血液サンプルや臨床情報の収集を継続して行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、医療機関における研究対象者の治療効果及び検体回収時の合併症の発現状況等の確認に時間を要した事から研究活動が計画通りに遂行できておらず、研究の進捗は遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
重症度の高い肺高血圧症例において、治療介入後の平均肺動脈圧の改善の度合いが著明で、併存疾患及び治療開始後の合併症も確認できた候補症例と健常コントロールについて、年齢及び性別や採血時期等の違いに留意しながら比較する血液サンプルを選定する.そして、ELISAやウェスタンブロッティング等の分子生物学的手法により肺高血圧症の重症度に応じて量的変化を示す生体内因子の探索を行い、この結果を足掛かりとして肺血管構成細胞を用いた実験等に展開させていく事を検討している.
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は重症度や併存疾患に着目した肺高血圧症例の選定及び治療後の重症度の評価、また治療後の合併症の調査が中心となり、新型コロナウイルス感染症の影響により研究が計画通りに遂行できなかった事から、次年度使用額が生じた.次年度は、健常コントロールを対象とする肺高血圧症例の重症度で変動する血液サンプルを分子生物学的手法によって探索し、肺血管構成細胞を用いた細胞実験等に展開させていく予定である.
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