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2022 年度 実施状況報告書

RAGEを標的とした肺高血圧症の新規バイオマーカー及び治療標的因子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K17658
研究機関就実大学

研究代表者

出石 恭久  就実大学, 薬学部, 助教 (80791847)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 肺動脈性肺高血圧症 / スクリーニング
研究実績の概要

本研究は、肺高血圧症患者由来の血液サンプルと肺血管構成細胞を用いて、平均肺動脈圧を指標とする肺高血圧症の新規バイオマーカー、及び新規治療標的因子の開発を目的としている.
既に得られている実験結果として、重症度の高い慢性血栓塞栓性肺高血圧症例では、治療介入後に平均肺動脈圧が著明な改善を示した場合も、本研究の候補因子の一つである生体内因子の血中濃度が顕著に低く、その値は敗血症患者の値に近かった事が分かっている.その理由として、治療による平均肺動脈圧改善後も末梢に残存している肺動脈の閉塞病変による影響が考えられる.さらに、その他に併存疾患の影響も考えられたため、対象症例の併存疾患の調査により、本研究に影響を与える可能性のある併存疾患を有する患者を除外した症例を収集していた.
一方、疫学的視点では、慢性血栓塞栓性肺高血圧症は、70歳代をピークとする中高年の女性で多く診断されている事、及び肺動脈性肺高血圧症は若年から中年の女性に加え、75歳以上の高齢の男女で診断されている症例が多い事が分かっている.そこで、本研究の結果も年齢や性別の影響を受ける可能性がある事を考慮し、これまでの候補症例と健常コントロール症例の年齢と性別において、二項ロジスティック回帰分析による傾向スコアを算出した.最終的に、傾向スコアマッチングによりこれらの交絡因子の調整を行う事で、可能な範囲で疫学的背景を揃えた健常コントロールと肺高血圧症例を選定した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響による活動制限で本研究については十分に遂行できていない事から遅れていると判断した.新型コロナウイルス感染症が5類感染症になったことから、今後はこれまで収集した情報に基づいて選定した症例の血液サンプルを用いて、分子生物学的手法を用いた研究を遂行していきたい.

今後の研究の推進方策

既に、重症度の高い肺高血圧症で治療により平均肺動脈圧が顕著に改善している症例について、本研究に影響を与える可能性のある合併症及び治療中の併存疾患を有する症例の除外に加え、健常コントロールと年齢及び性別について、統計学的手法により調整された血液サンプルを選定している.今後は、先ずELISAやウェスタンブロッティング等の分子生物学的手法により平均肺動脈圧に応じて量的変化を示す生体内因子の探索を行い、この結果を足掛かりとしてより症例数を増やして候補因子の可能性を見極め、更には肺血管構成細胞を用いた実験等に展開させていく事を検討している.

次年度使用額が生じた理由

当該年度も新型コロナウイルス感染症の影響により研究が計画通りに遂行できなかった事から、次年度使用額が生じた.次年度は、可溶型RAGE、HRG、及びDAMPsを中心に、健常コントロールと肺高血圧症例の比較、及び肺高血圧症例の治療に伴う平均肺動脈圧の変化に応じて量的変化を示す血液中の因子の探索を行う.

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公開日: 2023-12-25  

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