研究課題
本研究では、難治性呼吸器疾患の一つである急性呼吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome: ARDS)におけるCD26/Dipeptidyl peptidase-4 (DPP-4)の役割の解明を目指して実験を遂行した。具体的には、肺構成細胞の培養実験、ARDSモデルマウスを用いた動物実験により、「呼吸器組織におけるDPP-4の作用機序」および「ARDSにおけるDPP-4の体内動態」の解明を目指して研究を実施した。 培養実験では、ARDS病態の特徴が過剰な炎症、上皮および内皮細胞間の透過性亢進であることをふまえ、siRNAによりCD26/DPP4発現を調節した肺胞上皮細胞および肺血管内皮細胞を用いて、FACS、RNA解析などにより炎症性サイトカイン発現調節の評価および細胞増殖能アッセイなどによる増殖能の評価をすすめ、細胞レベルでのDPP4の役割解明に努めた。動物実験では「ARDSモデルにおけるDPP-4の役割」について、LPS誘導肺障害マウスを用いて評価した。CD26/DPP4がARDSの病態に関して、細胞レベルで多様な作用を有し、病態形成へ関与していることが示唆された。研究成果について2020年8月、2021年5月、2021年11月に国際学会での発表を行い、論文出版もおこなった。 また、2022年5月の国内学会でも発表予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)
Cells
巻: 10 ページ: 3508~3508
10.3390/cells10123508