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2019 年度 実施状況報告書

難治性肺動脈性肺高血圧症と骨髄由来細胞に関連はあるか?

研究課題

研究課題/領域番号 19K17664
研究機関千葉大学

研究代表者

三輪 秀樹  千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (30832597)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード骨髄由来細胞 / GFP骨髄キメラモデル / 肺動脈性肺高血圧症
研究実績の概要

骨髄細胞のみ(Green Fluorescent Protein)GFPを発現した、GFP骨髄キメララットを作成し、Sugen5416(VEGF受容体拮抗薬)+低酸素暴露(Su/Hx)処理を行い、肺高血圧を誘導し、3週間後に肺循環動態を評価した。僅かに右室収縮期圧上昇が見られ、病理学的にも軽度の平滑筋肥厚を呈した。得られた肺組織を浮遊細胞化し、フローサイトメトリーにて、血管内皮細胞、平滑筋細胞における、GFP陽性細胞(骨髄由来細胞)の割合を評価したところ、Su/Hx処理を行ったモデルは、非処理群に比べ、優位に平滑筋細胞群内のGFP陽性率が上昇していることが判明したが、血管内皮細胞群内でのGFP陽性細胞率の上昇は見られなかった。また、蛍光免疫染色にて、病変内のGFP陽性細胞の局在を確認したところ、平滑筋内にGFP陽性となる細胞が確認されたが、血管内皮細胞にはGFPの発現は認めなかった。なお、GFP陽性細胞(骨髄由来細胞)はフローサイトメトリーで見ると60-70%が血球系細胞であり、蛍光免疫染色では、主に肺胞領域にGFP、血球系マーカーであるCD45共陽性となる細胞が見られた。
以上より、GFP骨髄キメラSu/Hxモデルは、mildな肺高血圧モデルではあるものの、骨髄由来細胞の一部が平滑筋に分化していることが示された。GFP骨髄キメラSu/Hxモデルを利用した報告は過去になく、新規性があると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

骨髄細胞が80%前後GFP陽性細胞で置換されたモデルができ、また、そのモデルをベースとした肺高血圧モデルにおいて、当初の予想通り、肺動脈病変内に骨髄由来細胞が確認されたため。

今後の研究の推進方策

予想に反し、GFP骨髄キメラSu/Hxラットは重症PHモデルに至らなかった。全身に放射線照射を要するモデルであり、放射線照射による肺組織常在性細胞の障害、もしくは骨髄再構築により重症PH形成が抑制された可能性を考えている。後者であることが証明されれば、骨髄細胞が肺動脈性肺高血圧症の血管病変形成に一時的に関与していることが間接的にではあるが証明されることとなり、非常に興味深い。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] PAH動物モデルにおける肺動脈構成細胞の起源検証2019

    • 著者名/発表者名
      三輪 秀樹
    • 学会等名
      第4回 日本肺高血圧・肺循環学会学術集会
  • [学会発表] An investigation of the origins of pulmonary artery lesion cells in pulmonary arterial hypertension rat models2019

    • 著者名/発表者名
      H.Miwa
    • 学会等名
      29th International Congress of the European Respiratory Society
    • 国際学会

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公開日: 2021-01-27  

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