三次元イメージングシステムにより、各種肺高血圧症(PH)モデルマウスにおける微小血管の描出を行った。中等度のPHを呈する低酸素負荷PHおよび遺伝性肺高血圧症モデルAlk1+/-では微小血管新生を認めた。その一方で、低酸素負荷+VEGF受容体阻害薬(SU5416)投与では、血管新生像は認めず、重症PHを呈した。またXの発現が血管新生に関与することが網羅的遺伝子発現解析により示唆された。肺内皮細胞特異的X欠損マウスでは低酸素負荷において血管新生反応は低下しPHは増悪、その一方でX活性化薬は血管新生反応は増強させPHは改善した。この結果よりXはPH治療薬の新規ターゲットとして期待できると考えられた。
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