研究課題
若手研究
本研究では、間質性肺炎/肺繊維症におけるMDA5の役割を検証している。MDA5はウイルス核酸を認識する自然免疫系の受容体の1つで、MDA5を欠損したマウスと野生型マウスとの肺繊維症モデル(ブレオマイシン投与による)における比較から、MDA5は肺繊維症において保護的な役割を果たすと考えられた。その機序としてブレオマイシン投与後の好中球の増多やマクロファージの活性化、好中球を誘導するT細胞(免疫細胞の1種)の活性化をMDA5が制御している可能性を示した。
呼吸器内科学
間質性肺炎/肺線維症は治療薬が十分になく、予後不良の疾患である。間質性肺炎の病態はマクロファージや好中球のような自然免疫系細胞が関わっており、肺胞上皮や線維芽細胞などの構造細胞との相互作用が考えられるが、その機序や自然免疫系との関わりはいずれも十分に解明されていない。今回ウイルス核酸を認識する自然免疫受容体MDA5に焦点を当て、MDA5の間質性肺炎における新しい役割の解明を行った事でMDA5の機能に基づいた間質性肺炎に対する新しい治療候補として今後発展しうると考えられる。