研究課題
若手研究
マウスを用いた実験で、血小板は、本来の止血作用にとどまらず、2型自然リンパ球(ILC2)に付着することで、ILC2が活性化しておこる好酸球を伴うアレルギー性気道炎症を増悪させる可能性があることが示唆された。また健常人においても、末梢血、鼻組織において血小板が付着するILC2が存在したことから、ヒトにおいても同様の現象が起きていることが強く示唆される結果であった。
呼吸器・免疫・アレルギー
喘息は、ステロイド吸入治療の浸透により、従来に比べてコントロールが容易になっている患者が増えている。その一方で、一部のステロイド不応性の重症喘息患者の治療に関しては、現在も注目が集まっており、抗体医薬などの新薬や新しい治療が模索されている。今回の研究により、喘息の病態形成に深く関わると考えられている2型自然リンパ球の活性化を血小板が付着によりサポートする可能性が示唆され、このメカニズムが喘息の重症化に関与する可能性もあることから、将来的な喘息治療の標的の一つになる可能性がある。