研究課題/領域番号 |
19K17693
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
中原 善朗 北里大学, 医学部, 講師 (30772355)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | NSCLC / chemoradiotherapy / durvalumab / HMGB-1 / Calreticulin / MMP3 / Fractalkine / MIF |
研究実績の概要 |
神奈川がんセンターで本研究に登録された16例につき、HMGB-1、Calreticulinおよび可溶性immune mediators の測定を行った。また、その16例の測定結果と化学放射線療法→デュルバルマブ地固め療法の臨床効果との相関について検討した。HMGB-1、Calreticulinに関しては化学放射線療法の前後で有意な変化を認めなかった。次に可溶性immune mediators に関してはMMP3、Fractalkine、Macrophage migration inhibitory factor (MIF)が化学放射線療法前後で上昇している症例で、より無増悪生存期間・全生存期間が長いことが示され、これら因子の治療前後での変化が、進行非小細胞肺癌において化学放射線療法後の免疫チェックポイント阻害剤治療の効果予測因子である可能性が示唆された。これら結果につき、2022年2月に開催された第19回日本臨床腫瘍学会学術集会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の流行による肺癌新規患者の減少により、新規の症例登録が減っている。新年度、さらに多くの症例を登録し解析を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
16例の解析で化学放射線療法→デュルバルマブ地固め療法の治療効果が、化学放射線療法前後でMMP3、Fractalkine、MIFが上昇している症例でより高いことが示された。MMP3、Fractalkine、MIFはBio-Plex 200systemというパネルでの測定結果であったため、これについては、さらにELISA法で測定結果をconfirmationしたい。新年度は、北里大学病院の症例14例と合わせて合計30例で、化学放射線療法→デュルバルマブの真の効果予測因子を同定し、新たな治療戦略を提言できるような研究結果を出していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により、新規肺がん患者が減少し、新規登録症例数が予想より伸びなかったため。
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