腹膜劣化の機序解明を目的として、腹膜線維症マウスの腹膜で発現が上昇するMatrix metalloproteinase-10 (MMP-10)の役割を解析した。MMP-10ノックアウトマウス(MMP-10 KO)では腹膜線維化が軽減し、炎症細胞浸潤が低下していた。MMP-10 KO では線維化マーカーに加え、炎症マーカーであるCcl2やEmr1発現も低下した。腹膜平衡機能試験では、両群間で腹膜透過性に差を認めなかった。 MMP-10 KOから採取した腹膜中皮細胞をTNF-α刺激を行ったところ、野生型マウスに比べ、Ccl2のmRNA 発現が低下しており、in vivoの結果と合致した。
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