近位尿細管は障害後、近位尿細管細胞自体の増殖により修復されるが、障害度により修復機構が異なるかは不明である。重度および中等度の虚血障害を惹起後、近位尿細管表層では重度障害でのみ強い増殖を認めた。最近Runx1+24mCNE(eR1)が造血幹細胞および胃幹細胞のマーカーとして同定された。eR1活性の可視化マウスを用いて、近位尿細管のeR1活性を観察することとした。非障害時や中等度の虚血後にはeR1活性が高い近位尿細管上皮細胞はほとんど認めなかったが、重度障害後には強いeR1活性を有する近位尿細管上皮細胞を連なりをもって認めた。網羅的遺伝子解析ではeR1活性の上昇した細胞は強い増殖能を有していた。
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