血清亜鉛値は保存期CKDの時点で既に低下していた(特に蛋白尿を有するCKD患者では腎機能よりも蛋白尿との関連性が強かった)。血清石灰化傾向であるT50は腎機能悪化とともに低下した(腎機能が悪化すると血清中の石灰化傾向は、早かった)。血清亜鉛値は保存期CKD、維持血液透析患者いずれにおいても、T50の規定因子であった。 維持血液透析患者では、血清亜鉛と値腹部CTで評価されるAgatston scoreは負の相関を示した(血清亜鉛値が低いと腹部大動脈石灰化は高度である)。亜鉛添加により、健常者でも維持血液透析患者でもT50は延長した(亜鉛に血清中の石灰化傾向を緩衝する作用がある)。
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