多発性嚢胞腎におけるVEGF-Cとリンパ管新生の意義を検討した。多発性嚢胞腎マウスモデルである4週齢のJckマウス・Pcyマウスに1.0-2.5x10の8乗pfuのリンパ管成長因子であるヒトVEGF-Cを発現するアデノウイルスベクター(AdVEGF-C)またはコントロールベクター(AdLacZ)を投与し、8週齢でサクリファイスした。しかしながら、腎重量/体重比、腎嚢胞形成、リンパ管発現、血清クレアチニンのいずれにおいても、AdVEGF-C群とAdLacZ群との間に差はみられなかった。ウイルス投与量の再検討と長期的な研究が必要と考えられた。
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