研究課題/領域番号 |
19K17736
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 洋輔 信州大学, 医学部附属病院, 医員 (20836035)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 近位尿細管特異的ノックアウトマウス / 飢餓負荷 / 全身性の変化 |
研究実績の概要 |
昨年までの検討で、NDRG1-CreERT2をヘテロで保有しており、さらにFlox-PPARαをホモで保有しているマウスにタモキシフェンを投与することで、腎組織全体でPPARα遺伝子の発現が低下していることがわかった。その後、PPARα抗体を用いて、イムノブロット法を行ったところ、PPARα蛋白も減少していることがわかった。さらに免疫染色を行うことでPPARαが低下している組織の局在を調べたところ、腎組織のうち近位尿細管でPPARαが消失していることを確認した。これにより遺伝子改変マウスは我々の予想していた通り、タモキシフェンを用いて腎臓の近位尿細管で特異的にPPARαがノックアウトできるモデルであることがわかった。また、同PPARα近位尿細管特異的ノックアウトモデルマウスに飢餓負荷をかけると腎組織のみではなく全身性に様々な影響が起こることがわかってきた。今回の研究結果は、今後学会や国際誌に報告することを予定している。 また、研究計画書の中でも説明した新しいPPARα活性化薬であるパルモディアの腎保護作用についても、研究成果をまとめて論文執筆を進めており、現在Submitしている段階である。また、計画書ではSubmit中の研究として報告した慢性腎臓病状態でのスフィンゴ糖脂質の生体内変化に関する研究は国際誌に掲載された。ほかにも複数の腎、アフェレシス領域に関する研究成果を国際誌に報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画書通りに進行している。ただ、近位尿細管特異的ノックアウトマウスに飢餓負荷モデルを行ったところ、予想していたよりも多くの新しいことがわかったため、計画書に記述したすべての腎障害モデルについて検討を行うことは、今回の助成期間では難しいかもしれない。
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今後の研究の推進方策 |
計画書の通り、近位尿細管特異的PPARαノックアウトマウスに様々な負荷を行い、その影響を検討する。まずは飢餓負荷モデルマウスの腎組織のみでなく全身を詳細に観察し、腎臓のPPARαが体にとってどのような影響をもたらしているかを検討する。現在腎病理組織を中心に検討しているが、PPARα関連蛋白や関連遺伝子の変化についても検討していく予定である。 この研究を計画した当初はPPARαを近位尿細管でノックアウトすると、腎組織にのみ変化が起こり、全身性の影響は少ないのではないかと予想していたが、今回の検討によって腎臓のPPARαは全身において重要な役割をしていることがわかってきた。さらに詳細な検討を加える予定である。 それが終了したところで、虚血再灌流モデル、プロテインオーバーロードネフロパチーモデルなども行って検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルスの影響で研究成果の発表を予定していた国際学会を含む学会がWEB開催となったため。また、研究活動を自制せざるを得ない期間があったため。 次年度使用額は令和3年度請求額と合わせて消耗品費として使用する予定である。
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