研究課題/領域番号 |
19K17740
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大野 祥子 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50816874)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ポドサイト / microRNA / トランスジェニックマウス / 抗糸球体基底膜腎炎 / アデニン負荷腎不全マウス |
研究実績の概要 |
ポドサイトにおけるmicroRNAの役割を検討するために、ポドサイト特異的miR-26a過剰発現(Tg)マウスを作製し、その解析を行った。NPHS2(ポドシン)プロモーター下にpremiR-26a遺伝子配列をつなぎ、その後にIRES-GFP-polyAを挿入したカセットを作製し、ポドサイト特異的pod-miR-26a Tgマウスを作出した。単離糸球体を用いてmiR-26aとGFP発現を検討したところ、miR-26a発現は差がないものの、GFP発現はTgマウスで明らかに増加していた。premiR-26aにても検討したがTgマウスで明らかなpremiR-26a発現増加は認められなかった。しかしながらポドサイトにおけるmiR-26a発現増加が単離糸球体では検出できない可能性を考え、ストレプトゾトシンにより糖尿病を惹起しpod-miR-26a Tgマウスの表現型を検討した。糖尿病pod-miR-26a Tgマウスは空腹時血糖、体重、収縮期血圧、尿アルブミン、血清Cr、血清BUN、糸球体組織学的変化に差を認めなかった。以上よりpod-miR-26a Tgの解析は表現型が出ないため困難と結論し、miR-23bを解析する方向へ変更した。 マウス抗糸球体基底膜(GBM)腎炎、ストレプトゾトシン糖尿病マウス、アデニン負荷腎不全マウスの糸球体miR-23b発現を検討したところ、ストレプトゾトシン糖尿病マウスで変化ないものの、抗糸球体基底膜(GBM)腎炎で有意に増加し、アデニン負荷腎不全マウスで有意に低下する結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ストレプトゾトシン負荷糖尿病pod-miR-26a過剰発現マウスで表現型が認められず、今後の解析をmiR-23bに変更したため、予定通りの計画が進行しておらず、計画の修正を余儀なくされている。
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今後の研究の推進方策 |
ポドサイトにおけるmiR-23bの意義を検討するために、培養ポドサイトにmiR-23b mimic, inhibitorを投与し、標的分子を同定する。さらにmiR-23bのコンディショナルノックアウトマウスを導入する予定である。
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