研究実績の概要 |
ポドサイトにおけるmicroRNAの役割を検討するために、ポドサイトにおいてGFPとmiR-26aを過剰発現するポドサイト特異的miR-26a過剰発現(Tg)マウスを作製し、その解析を行った。 単離糸球体を用いてmiR-26aとGFP発現を検討したところ、miR-26a発現は差がないものの、GFP発現はTgマウスで明らかに増加していた。しかしながらベーサル状態でTgマウスは野生型マウスと差がないため、ストレプトゾトシンにより糖尿病を惹起しpod-miR-26a Tgマウスの表現型を検討した。糖尿病pod-miR-26a TgマウスはCrなどの採血データ、アルブミン尿、糸球体組織学的変化に差を認めなかった。以上よりpod-miR-26a Tgの解析は表現型が出ないため困難と結論し、miR-23bを解析する方向へ変更した。 培養ヒトポドサイトにmiR-23b mimicを遺伝子導入し、データベース上miR-23bの標的蛋白と想定されるNatriuretic peptide receptor 3 (NPR3), Phosphodiesterase 4B (PDE4B),PTENのウェスタンブロットを行ったが有意な低下は認められなかった。このことから、NPR3, PDE4B, PTENはポドサイトにおけるmiR-23bの標的でない可能性が示唆された。
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